親の誤算 ~『わかった』は信用できない~

小学校教育

今までたくさんの親子を見てきて思うのは、親御さんの発言とお子さんの実態が少しズレているということです。全く違うことはないのですが、少しズレている程度でも親が誤った認識を持ち続けていると、歪は大きくなっていくので要注意です。

例えば…

「たし算とひき算はできます。数の概念も理解しています。」

「英語で話していることはだいたい理解できます。挨拶程度なら英語で出来ます。」

「漢検○級は持っています。5年生の漢字までは書けます。」

 

このような発言を年中~小学校低学年の親御さんからよく聞くことがあります。

今までの経験上、親御さんの『~はできます。』については、たいてい親の誤算の可能性が高い気がします。

 

これには理由があって、大人と子供の脳の違いもありますが、できた!とできる!の認識違いかもしれません。

前述した発言を分析すると…

「たし算とひき算はできた!」 

→式があれば正しく計算できるが、違う角度から問われる文章題になるとわからない。

「数の概念を理解している。」

→ペーパー問題では理解していたが、実物を使って同じことを聞いたらわからない。

「英語で話していることはだいたい理解できる。挨拶程度は英語でできる。」

→どの程度の内容か不明。定型文を記憶しているのでは?

「漢検を持っている。5年生の漢字を書ける。」

→短期集中で漢検に出る漢字だけ暗記できた。漢字は書けるが、読めない?使えない?

これらのズレは、子供がたまたま(もしくは1回)できた!ことを、出来ている=できる!に変換して認識することにより起こるのではないでしょうか。

子供に何かを教えたり、説教していると、必ず最後に言う言葉。

『わかった?』

こう聞かれて『わからない』と答える子供はまずいないので、子供が『わかった!』と言い、親も『わかったのだな』と納得する。

家庭でよく見られる光景ですが、実はこれこそが誤算の原因です。

実は『わかった』と言う子供が本当に理解している場合はかなり稀です。親や先生が一生懸命伝えたことの真意は全く伝わっていない場合が多い。

そんな…まさか?と思われる方は、説教の後に「どういうことだった?説明して。」と聞き返し、説明させてみてください。

しどろもどろになり、暗記した内容ただ反復しただけなら理解はできていません。

現在幼児部で短縄とびの特訓をしているのですが、子供は一回跳べると「できた!!」と喜びます。ところがその後の発言が「縄跳び跳べる」になるので驚きです。

たった一回跳べたのは「1回跳べた」という事実だけで、「縄跳びができる」にはならないですよね。

では「縄跳びができる」とは、どんな状態でしょうか。

◎連続して10回以上短縄跳びが跳べる。

◎それを何回も続けられる。

◎1週間後にやっても同じことができる。

こんな感じでしょうか。

勉強も同じで「問題が解けた」は、色々サポートを受けながら1回解けたという事実だけで「わかる。理解している。」とは言えないのです。

間違えたところは、直しをさせて正解だったら、どうして間違えたの?どうやったらわかったの?と聞いて、説明させる。そして、同じ系統の違う問題が解けたら「わかる」のだと認識します。他の人に解説を説明できたら「理解している」と言えます。

どうしても親という立場上、我が子を客観的に分析して正しい認識になるのは難しいので、「子供のことがわからない」と悩む前に、プロに頼ってアドバイスをもらうのがいいと思います。

まずは、子供の『わかった』を手放しで信用しないことです。 

そして、ぜひ子供に問いましょう。

「わかったのは、どういうこと?」

子供が「できた!」と言うならば、できた事実を認めましょう。

そして、できる状態になるまで応援してサポートしてあげてください。